特別展アーカイブ

布を愛した人ものがたり展 【2009年11月1日(日)-2010年2月28日(日)】

布を愛した人たちのものがたり展

津軽刺し子アミューズ ミュージアムでは、オープニング企画展として、『布を愛した人たちのものがたり展』を開催します。本展では、世界初公開展示となる国指定重要有形民俗文化財「津軽刺し子着物」や、テキスタイル・アートコレクション「BORO」を紹介します。

今回特別展として公開する民俗学者・田中忠三郎氏所有の国指定重要有形民俗文化財「津軽刺し子着物」は、学術的に大変貴重な民俗資料であるばかりか、極めて高い針仕事の技術に裏打ちされた工芸 品であり、なによりも当時の女性たちの想いがこめられた、かげがえのない手仕事の結集です。これら刺し子着物は786点が重要有形民俗文化財として国から指定されていますが、その中から世界初公開の約100点を順次、所有者の田中忠三郎氏自身が選りすぐり展示いたします。
津軽刺し子また、人の一生はおろか、二代、三代、時には四代にわたって、布を再生し継ぎ充てを重ねられたボロ着物は、今や
「BORO」として世界共通語となるほど、アート・テキスタイルデザインの分野で高く評価され、欧米の染織美術・現代美術のコレクターから買い求められています。100年の時を越えて公開されるこれら「BORO」コレクションは、布のエコロジーの極致であり、布を愛し慈しんだ人々が生んだ消費文化の対極のアートであるといえるでしょう。

BOROこれらのコレクションは、民俗学者・著述家の田中忠三郎氏が40年以上に渡り、民俗学の研究のかたわら収集してきたもので、寺山修司や黒澤明、都築響一らがその美しさを絶賛し、作品制作のために借用するなど、学術的価値はもちろん芸術的価値の高い稀有なコレクションとして知られています。田中忠三郎氏は、「庶民の衣服が重要有形民俗文化財に指定されたのも画期的なことだが、これら衣服はどれをとっても無駄がなく美しい。それは布を織った、そして刺し綴った人々の想いと愛情、人柄がしのばれるからです。」と語っています。柳宗悦、青山二郎、白洲正子らの流れを汲む生活のなかの美、“用の美”を体現するコレクションだといえるでしょう。

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