来る2018年3月30日(金)から、次回特別展を公開いたします。
アミューズミュージアムは、新しい特別展への展示替えのため3/26(月)~29(木)の期間、全館休館となります。(3/27〜1Fミュージアムショップは通常営業しています。)
Amuse Museum will be temporally closed from March 26th, to March 29th 2018, for new BORO exhibition.(1st floor, Museum shop will be opened as usual.)
※画像はクリックで大きく表示されます。
アミューズミュージアム 開館10周年特別展美しいぼろ布展 ~都築響一が見たBORO~
本展覧会では、当館の開館年でもある2009年に、『BORO つぎ、はぎ、いかす。青森のぼろ布文化』を出版なさった、写真家・編集者の都築響一氏が新たに撮り下ろした写真作品34点と、現物のBOROを同一空間内に展示することで、美術館全体をひとつの大型インスタレーションとしています。
粗末なぼろ布に現れた思いがけない美の世界。消費文化の対極のアートをご覧ください。
「布文化と浮世絵の美術館」 アミューズミュージアム
館長 辰巳清
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そんなに昔のことじゃない、たった数十年前まで、貧しい農村といえば、人はまず東北をイメージした。本州のどん詰まり、東北の端っこの青森県で極貧の生活にあえいできた農民が生み出した、恐るべきテキスタイルの美学、それが"ぼろ"である。
民芸に詳しい人ならば、青森というと津軽のこぎん刺しや、南部の菱刺しを思い浮かべるだろう。
雪国の女性たちによって伝えられてきたこぎんや菱刺しは、昭和初期の民芸運動に発見されて、一躍脚光を浴びるようになった。もっともっと肌に近いところで農民の日常のなかに生きてきた"ぼろ"は、いまだに顧みられることもなく、「貧しい東北を象徴するもの」として、恥ずかしさとともに葬り去られようとしている。
寒冷地である青森では綿花の栽培ができず(綿花の育つ北限は福島県あたりといわれている)、農漁民の日常衣料は麻を栽培して織った麻布だった。現在の青森県は江戸時代、津軽藩領と南部藩領に二分されていたが、どちらの藩においても絹織物は一部特権階級のものだったし、寒冷地であるにもかかわらず(青森市は全国の県庁所在地のうちで、もっとも積雪量の多い都市である)、藩政時代を通じて農民が木綿を着用することを禁じていた。したがって田畑での作業着から、赤ん坊のおしめ、長い冬の夜を過ごす布団まで、農民の身につけるものはすべて、麻布のみで賄う時代が長く続いたのである。1枚の麻布で寒すぎれば、何枚でも重ねていく。枚数を重ねれば防寒性が増すし、糸を刺していけば丈夫になる。傷んで穴が空けば小布でつくろい、また布と布のあいだに麻屑を入れて温かくする。そうした厳しい生活環境から生まれたサバイバルのかたち、それがこぎんであり菱刺しであり、ぼろなのだ。
ここに紹介するのは東北地方でほとんどただひとり、昭和40年代から青森県内の山・農・漁村を歩き回り、"ぼろ"とひとまとめに呼ばれる、布と人との愛のあかしを探し求め、保存してきた田中忠三郎さんのコレクションである。
そっくり復刻して、フランス語かイタリア語のタグと高い値段をつければ、そのままハイファッションになるにちがいない、完璧な完成度。それが民芸や現代のキルト、パッチワーク作家のように、きれいなものを作りたくて作ったのではなくて、そのときあるものをなんでもいいから重ねていって、少しでも温かく、丈夫にしたいという切実な欲求だけから生まれた、その純度。
優れたアウトサイダー・アートが職業現代美術作家に与えるショックのように、雪国の貧農が生んだ"ぼろ"の思いがけない美の世界は、ファッション・デザインに関わるすべての人間に根源的な問いを突きつけ、目を背けることを許さない。
小出由紀子・都築響一 BORO~つぎ、はぎ、いかす。青森のぼろ布文化~(アスペクト・2009年刊)より
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都築響一(つづき・きょういち)
写真家・編集者1956年東京生まれ。ポパイ、ブルータス誌の編集を経て、現代美術、建築、写真、デザインなどの分野での執筆・編集活動を続けている。
96年刊行の『ROADSIDE JAPAN 珍日本紀行』(アスペクト、のちちくま文庫)で、第23回木村伊兵衛賞を受賞。その他『BORO つぎ、はぎ、いかす。青森のぼろ布文化』(アスペクト) など著書多数。
現在、個人で有料メールマガジン『ROADSIDERS' weekly』を毎週水曜日に配信中。
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Amuse Museum10th Anniversary Special Exhibition BORO~Real Astonishment~
With this exhibition, BOROs are hung among the 34 photo images newly published by Kyoichi Tsuzuki (the photographer and author of "BORO Rags and Tatters from the Far North of Japan" released in 2009 when this museum had a grand opening), effectively bringing one big installation to the museum.
The stunning world of art unexpectedly created on the cheap shabby clothes:I hope you enjoy what is the opposite of today's consumer culture.
"Museum of Textile Arts and Ukiyo-e" AMUSE MUSEUM
Director & Chief Curator Kiyoshi Tatsumi
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Only a few decades ago, Tohoku "snow country" - and especially Aomori Prefecture - was synonymous to most Japanese with dire poverty. Situated dead-end on the northernmost tip of the main island of Honshu, Aomori was home to dirt poor farmers who, out of desperate necessity, created an astonishing textile aesthetic out of boro - mere "rags."
To those familiar with mingei and the Japan Folk Craft Movement, Aomori typically suggests intricate kogin-sashi and hishi-zashi geometric needlework "discovered" in the region during the pre-war years. Much closer to the lives of the people, however, boro stitchery remains largely unknown, even intentionally buried as an embarrassing reminder of "the poverty that was Tohoku."
The frozen north was too cold to grow cotton- the northernmost limit for cultivating cotton is Fukushima Prefecture, over 300 kms to the south - so the local folk grew and wove hemp for clothing. Throughout the Edo Period(1600-1868), when silk was restricted to a privileged handful of samurai class families, commoners were also forbidden to wear cotton despite the bitter climate (Aomori City has the highest snowfall of any prefectural capital in the whole of Japan.) Thus everything from work clothes to babies diapers to futon bedding for the long winter nights was sewn from stiff, scratchy hemp cloth. And if a single layer wasn't warm enough, they stitched and reinforced layer on layer, patching holes and stuffing hemp fuzz in between for whatever little insulation they could get. Boro was the shape of survival in this inhospitable land.
Presented herein is the collection of one Chuzaburo Tanaka who, virtually alone in all of Tohoku, walked the farming and fishing villages of Aomori from the mid-1960s, searching out these traces of the locals' love of fabric known as boro.
If exactingly reproduced and labeled with French or Italian designer tags, these "not-so-glad rags" would undoubtedly fetch high-end prices, so perfectly artless is their detailing. Not that they're in any way "precious" like mingei "folk craft" or contemporary auteur patchwork quilts; no, these are products, pure and simple, of a shivering desire to thickly overlay whatever was on hand for heavy-duty warmth.
Just as consummate "outsider art" shocked contemporary art professionals, the beauty and sheer compositional skill of these boro creations made by impoverished country folk pose fundamental questions to fashion and design circles everywhere.
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Kyoichi Tsuzuki photographer / editor
Born 1956 in Tokyo. From 1976 to 1986, worked as editor for contemporary art, architecture, design and urban life at Tokyo trend magazines Popeye and Brutus. Thereafter, pursued a career of writing and independent publishing in the fields of contemporary art, architecture, photography and design. He won the 23rd Ihei Kimura Photography Award in Roadside Japan (Aspect , revised Chikuma pocket book edition, 2000). In 2009, published BORO Rags and Tatters from the Far North of Japan (Aspect).Starting January 2012, he is self-publishing a weekly e-mail magazine "ROADSIDERS' weekly" every Wednesday morning.
5月からオープンしました、月替わりにAmuse Museum イチオシアーティストの
ここでしか買えない作品/商品を販売する【Monthly Artist Store】
6月のイチオシアーティストは、
カラーペンと色鉛筆でカラフルに描く、動物大好き作家の【SANA】さん!
SANAさんが描く、さなの森の仲間たちの動物は、カラフルで、愉快で、可愛く、みんなを笑顔に元気にしてくれます。
【プロフィール】
子供の頃から絵と自然と動物が大好き
野生の動物を見にアフリカの地や生き物の生息地へ行き
自然と野生動物たちの強い生命を感じながら
"さなの森"というカラフルで楽しい動物たちの世界を描いている
カラーペンと色鉛筆でカラフルに描く、動物大好き作家
【仕事情報】
全国各地の水族館のお土産パッケージデザイン/キャラクター、ロゴデザイン/ライブペイントパフォーマンス/香港ショッピングモールパッケージ
ポストカードやタンブラー等のグッズはもちろん、
期間限定販売のジグレー版画作品を含む、多数の【SANA】さんのグッズを取り揃えております!
皆様のご来館、心よりお待ちしています。
アミューズ ミュージアム6階には、UKIYOEシアターがあります。
歌川広重 『東海道五十三次 日本橋 朝の景』
喜多川歌麿 『高名美人六家撰 難波屋おきた』
歌川広重 『名所江戸百景 浅草田圃酉の町詣』
葛飾北斎 『富嶽三十六景 神奈川沖浪裏』
歌川広重 『名所江戸百景 大はしあたけの夕立』
歌川広重 『名所江戸百景 猿わか町よるの景』
東洲斎写楽 『市川鰕蔵の竹村定之進』
歌川広重 『東都名所 吉原仲之町 夜桜』
喜多川歌麿 『当時全盛似顔絵揃 兵庫屋内 花妻』
アミューズミュージアム6階のイベントホールでは、日本舞踊・和楽器やアコースティックのコンサート・落語、江戸楽や浅草学等の各種講演会、トークイベントなど様々なイベントを行っています。
また当館主催イベント以外の日程はイベントスペースとしてお貸し出しもしています。
幅広いジャンルに対応できる質感高いイベント会場としてご好評を頂いています。
ご利用についてはお気軽にお問い合わせ下さい。
2019年3月末、当館閉館までのすべての土日はブッキング済ですので、下記の通り、平日日中でのご利用のみとなります。
ホールレンタル方式(平日、火・水・金曜)
火曜日~金曜日(木曜日を除く)10時~17時のプランです。(17時30分完全撤収)
公演全般、リハーサル、会議・物販イベントなどのご利用が可能です。
レンタル料金は1時間1万円を申し受けます
(ご使用時間は搬入開始から完全撤収までの時間で計算いたします)。
料金には6F控室使用料・当館所有の音響照明映像設備一式の使用料を含みます。(Bar sixは使用不可)
椅子、テーブル、座布団などの当館備品は対応できる範囲内でご利用頂けます。
必要であればイベント運営スタッフ(1名まで)を配置します。
公演でご利用の際、音響等、簡単なセッティングは当館スタッフがお手伝い致しますが、受付や音響操作のスタッフはご用意ください。
お申込時に予約金として1万円を預からせていただき、すべての精算は原則ご利用当日行います。
キャンセル料金は、理由の如何を問わず、本番当日まで1ヶ月前の同日を過ぎた場合レンタル料金の100%、 2ヶ月前の同日を過ぎた場合レンタル料金の50%をいただきます。
ご来場のお客様へのドリンクの販売の手配も可能です。(ご相談ください。)
*ご利用金額、ドリンク代はすべて消費税別です。
*当館にない機材の手配・持ち込み機材についてはご相談ください。
*イベントホールへの搬入開始、楽屋入り時間は10:00以降にお願い致します。
*原則的に18:00以降に及ぶ公演は行っておりません。
*演目内容については当館スタッフが事前に簡単な確認を行わせて頂きます。
コンサートの場合は音源(配信サイトへのリンク、データなど可)確認の他、プロフィール、
講演の場合は講演概要など内容がわかる資料をご用意の上、お問い合わせください。
*公演についてのお問い合わせ対応、公演チケットの電話、お申込みフォームによるご予約受付は当館でも代行可能です。
*イベント開催時に書籍・CD等マーチャンダイズをお持込み販売なさる場合は、物販売り上げの10%を販売手数料として当館にお支払い願います。
*テーブル等簡単な備品はお貸出しいたしますが商品用のPOP・販売員・釣銭は出演者様側でご用意ください。
*イベントスペース空き状況は、お電話か問い合わせフォームで、当館までお問い合わせください。
アミューズミュージアム2階の手仕事のギャラリー&マーケットでは、常設展・特別展とは別に、伝統工芸・絵画・イラスト・写真・彫刻・陶芸・書・手工芸作品等、ジャンルを問わず気鋭のアーティストの作品を紹介・公開しています。